Tooth Fairy Fuji (野に遊ぶ)

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天才と分裂病の進化論

天才と分裂病の進化論、デイヴィッド・ホロビン著、金沢泰子訳、新潮社、1900円、

人間が猿と共通の祖先から進化して、現在の人類を人間たらしめたのは何かを脳の組成と機能から解き明かしていく手法が興味深い。なぜ分裂病かというと、この病気が人種に関わらずほぼ100人に1人の一定の割合で出現することから、人類共通の遺伝子に関係あるとの仮説だ。

ノーベル賞受賞者や著名な芸術家、政治家の家系に分裂病や躁うつ病等の精神疾患が多いことが認められるが、ホモサピエンスの驚異的な進化にはこの分裂病の遺伝子が関係しているのではないかという。

またチンパンジーと人間のDNAはわずか1%の違いによること、外見的にはチンパンジーと人間は胸やお尻の脂肪のつき方に特徴があり、人間は丸みを帯びていること。実は脳も基本的には脂肪組織であることから考察が行われている。

生化学的、組織学的な記述には理解の難しい部分もあるが、全体として非常に興味深い。分裂病は現在は統合失調症が正式な呼称だが、この本が発行されたときはまだ一般的ではなかった。
by katodental | 2006-08-16 15:02 | 本、CD | Comments(0)